男性の敏感肌対策に！バリア機能改善に期待ができる成分「シアバター」

「シアバター」と言う保湿剤は、男性にとってはあまり耳馴染みのないものかもしれません。

今、自然派化粧品を愛用する女性たちの間で話題になっているシアバターは、栄養分を豊富に含んだ保湿剤で、刺激が少ないため敏感肌の男性にもおすすめです。

こちらではシアバターとは一体どのような保湿剤なのか、そして敏感肌にどの様に機能するのかということについてご紹介していきましょう。

シアバターとは？

シアバターとは、アフリカ大陸に分布している「シアバターノキ」という植物の種子から抽出されるバターのことです。

シアバターノキは、ガーナ、ナイジェリア、ブルキナファソ、マリなどの国に分布していて、アカテツ科の常緑種。

アフリカ大陸では1,000年以上の前から利用されており、スキンケアだけでなく、食品、やけど治療薬、傷薬、日焼け止め、石鹸の原料として活用されています［1］。

「オイル」という名称で呼ばれないのは、常温では食品のバターのような固体を保っているからです。

シアバターに含まれる成分

シアバターはビタミンEやカテキン、アラントインなどの栄養素も含みますが、主に次のような脂肪酸によって構成されています。

出典：（PDF）アフリカと日本を笑顔でつなぐシアバター～ガーナ・ズオ村と歩んだ10年～：JSTAGEより／JSTAGE：アフリカと日本を笑顔でつなぐシアバター～ガーナ・ズオ村と歩んだ10年～[PDF]

シアバターが男性の敏感肌に効果が期待できる理由

シアバターは男性の敏感肌改善にも効果が期待されますが、それは先にご紹介したシアバターの構成成分による働きです。

表でわかるように、シアバターは主にステアリン酸とオレイン酸の2種類の脂肪酸によって構成されています。

この2種類の脂肪酸の働きに基づく敏感肌への効果を、詳しくご紹介しましょう。

炎症が起きた敏感肌を鎮める効果がある

シアバターの中の主要成分である「オレイン酸」には、傷の回復を早くするという効果があるとされています。

動物実験における創傷にたいする局所脂肪酸投与では、必須脂肪酸よりもオレイン酸が早いとする報告もある。

出典：（PDF）創傷治癒と脂肪酸代謝：JSTAGEより／JSTAGE：創傷治癒と脂肪酸代謝[PDF]

このように、他の脂肪酸と比較しても高い治癒力を誇っているので、炎症で傷ついた敏感肌を早く鎮めてくれる効果が期待されます。

また、創傷治癒効果については、シアバターの中に3.5％のみ含まれている「パルミチン酸」にも同じ働きがあると報告されています。

脂肪酸はセラミドの結合に必要

シアバターの主成分は各種脂肪酸ですが、この脂肪酸は、肌の細胞と細胞の隙間を埋めて水分を保持している「セラミド」の結合に必要です。

セラミドは長鎖アミノアルコールであるスフィンゴール（ジヒドロスフィンゴシン，スフィンゴシン，フィトスフィンゴシン，6-ヒドロキシスフィンゴシン）に脂肪酸が酸アミド結合した化学構造である。

出典：（PDF）皮膚と化学　―内と外の境界―：JSTAGEより／JSTAGE：皮膚と化学　―内と外の境界―[PDF]

セラミドが不足するということは、肌の水分がなくなって、バリア機能が低下し、敏感肌になるということとイコールです。

そのため、セラミドが作られるために必要な脂肪酸を含むシアバターは、男性の敏感肌を改善するサポートをしてくれるでしょう。

シアバターの敏感肌対策以外の効果

シアバターは髪や頭皮のケアにも利用できます。

シアバターは肌なじみが良いため、頭皮マッサージの際に少量指先につけてマッサージをすれば、頭皮の乾燥を予防してくれます。

また、ベタつきが気になる頭皮の場合は、毛穴に詰まった皮脂と結合して、シャンプーのときに皮脂が落としやすくなるとされます。

乾燥している状態でも、ベタつきが気になる状態でも頭皮の改善につながるため、かゆみやふけ、抜け毛などの悩みを解消してくれるでしょう。

まとめ

シアバターは各種脂肪酸を含み、肌の炎症を鎮めてバリア機能を強化してくれる働きを保ちます。

この働きだけを見ても、男性の敏感肌に最適な保湿剤です。

さらに、植物性の保湿剤なので肌に対する刺激が少なく、頭皮のマッサージにも使える万能性が魅力的。

シアバターは様々な化粧品会社やフェアトレード会社から販売されているので、一度購入してご自身なりの使い方を見つけ出してみて下さい。

参考文献

参考［1］：JSTAGE：（PDF）アフリカと日本を笑顔でつなぐシアバター～ガーナ・ズオ村と歩んだ10年～