男性のニキビ対策に有効な成分「グリチルリチン酸」
「グリチルリチン酸」という有効成分は、ニキビや肌トラブルに効果的な成分として多くの化粧品に配合されています。
特に敏感肌用の化粧品には無くてはならない存在で、肌が弱い男性でも使える可能性が高いというメリットを持つ成分です。
こちらのページでは、グリチルリチン酸がニキビ改善に効果的だとされる理由と、ニキビ以外の男性にとって嬉しい効果についてご紹介していきます。
グリチルリチン酸とは?
「グリチルリチン酸」という名前を見ると化学物質のように感じてしまいますが、実は「甘草(カンゾウ)」という植物の根から抽出される天然由来成分のことです。
甘草は日本でも古くから用いられており、漢方薬、調味料、食品など、様々な用途で使用されています。
原産地は中国の東北部から中央アジア、南ヨーロッパなど非常に幅広く、様々な地域で紀元前から民間薬として珍重され続けてきました[1]。
グリチルリチン酸が男性のニキビに効果が期待できる理由
グリチルリチン酸が男性のニキビに効果的だとされる理由は、高い抗炎症作用を持っているからです。
その作用の機序について、少し詳しくご紹介しましょう。
グリチルリチン酸はヒスタミンを抑制
グリチルリチン酸が抗炎症作用を発揮する方法は、ステロイドと似たような働きをするからだと言われています。
グリチルレチン酸は急性炎症に対する抗炎症作用(浮腫抑制-ラット、肉芽腫抑制-ラット、抗紅斑-モルモット)を有する。抗炎症作用は主成分であるグリチルレチン酸の化学構造がハイドロコーチゾンの化学構造に類似しているところによると推定される。
ハイドロコーチゾンというのは、コルチコイドとも言われるステロイドのことですが、グリチルリチン酸はハイドロコーチゾンと同様、ヒスタミンを抑制すると考えられています。
ヒスタミンは花粉症などのアレルギーを引き起こす物質として有名ですが、炎症を引き起こす物質の放出も促進させてしまうと言われているからです[2]。
免疫系のシステムからも炎症を抑制
グリチルリチン酸の抗炎症作用は、ヒスタミンを抑制するだけではありません。
さらに、サイトカイン誘導能及び調節能、抗ウイルス作用、胸腺外T細胞の活性化作用、肝機能の改善作用などのほか様々な生物学的作用が報告されている。
サイトカインには様々な種類がありますが、免疫系のバランスによって働いている物質で、「炎症性サイトカイン」は体内で様々な炎症に関わっています[3]。
グリチルリチン酸は免疫システムによって制御されているサイトカインを調整することによって、ニキビの炎症を抑えることもできるのです。
グリチルリチン酸のニキビケア以外の効果
グリチルリチン酸を体内に摂取する場合の効果として、肝臓機能改善への効果が有名です。
グリチルリチン酸(GZ)は肝細胞膜に作用することで幹細胞外へのトランスアミナーゼの流出を抑制するトランスアミナーゼ低下作用,細胞保護作用,抗ウイルス作用,免疫系に対する作用などを有することが総説としてまとめられている.
ご存知の方も多いでしょうが、トランスアミナーゼは肝機能を測る上で一番重要なポイントとなる酵素です。
そのトランスアミナーゼを低下させ、さらに肝細胞の保護なども行ってくれるため、肝機能が低下してきている男性にとっては救世主のような存在と言えます。
まとめ
グリチルリチン酸は、植物の根から抽出される天然由来成分でありながら、免疫システムにまで働きかけるほど高い抗炎症作用を持つ成分です。
さらに、医薬品にも劣らない働きで肝機能をサポートしてくれる働きまで期待できます。
男性のニキビに対しては肌の上から化粧品として使い、肝機能に関してはグリチルリチン酸製剤を使用するなど、非常に身近な存在になる可能性のある成分だと言えるでしょう。
参照